元プロ野球投手・門倉さん、奪三振王からペット救世主へ “アゴ倉”が動物愛護訴える

門倉健さんと保護犬「オレオ」=2月、横浜市 
横浜時代の門倉さん 
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 プロ野球中日や横浜などで投手として活躍し、05年には最多奪三振も獲得した門倉健さん(44)が、保健所で殺処分の予定だった「保護犬」たちと暮らしている。2014年に殺処分寸前だった一匹の老犬との出会いを通じてペットの命の大切さを痛感した。「自分の知名度が少しでも役に立つなら」と、動物愛護活動にも参加。「消費者も業者も、ペットを命として扱う意識を持ってほしい」と呼び掛けている。       

 MAX151キロの速球を武器にした豪快なピッチングと、長めのアゴでファンから愛された球界の奪三振王。現在は動物愛護のエースとして活躍している。

 「ペットを粗末にしてほしくないという気持ちをお伝えしたいと思いました」。1月、スーツ姿の門倉さんは動物愛護行政を所管する中川雅治環境相に面会した。著名人による動物愛護キャンペーンの呼び掛け人の1人として、生後間もない犬や猫のペットショップへの引き渡し禁止期間を、欧米並みに延ばすよう訴えた。

 1995年にドラフト2位で中日に入団。その後、日韓6球団を渡り歩き、2012年に引退した門倉さん。第2の人生を決定づける出会いは、2014年9月に訪れた。

 栃木県の保健所に雑種の老犬が持ち込まれたことを、家族がSNSを通じて知った。このままでは殺処分になる。犬はやせ細った体に首輪が食い込み、ふん尿にまみれた毛にはマダニが潜んでいた。飼い主は持ち込んだ理由を「引っ越しのため」としていた。獣医師も「命が1週間持つか分からない」と告げたが、家族で話し合い、引き取った。

 「ランディ」と名付けた犬は、手のひらを頭に近づけると逃げるようなしぐさをした。温泉に連れて行くなどして心を通わせたが、間もなくがんと診断された。その年の大みそかにみとった。

 「短くても、互いに穏やかで幸せな時間を過ごせたと思っている」。現在は新たに保護犬「オレオ」や野良犬だった「モカ」など4匹と暮らす。

 ペットを巡っては、殺処分や引き渡し禁止期間以外にも、ペットが多過ぎて飼育しきれない「多頭飼育崩壊」など、課題が山積する。門倉さんは「消費者も業者も、ペットを命として扱う意識を持ってほしい」と話している。

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