トランプ大統領 シリア攻撃命じた…「化学兵器使用」と断定、アサド政権に報復

 米英仏3カ国は、シリアへの軍事攻撃を現地時間の14日行った。3カ国が発表した。トランプ米大統領は米東部時間の13日夜、国民向け演説で、シリアのアサド政権が首都ダマスカス近郊東グータ地区で化学兵器を使い市民を殺傷したと断定し報復攻撃を命令したと表明。化学兵器関連施設を標的とした。ダマスカスでは14日早朝、巡航ミサイルとみられる飛行音と、地響きを伴う爆発音が複数回聞かれた。

 ロシアが、シリア攻撃に踏み切れば反撃するとしていた中での攻撃-。米英仏とロシアの対立激化は不可避だ。

 トランプ政権によるシリアへの軍事攻撃は、昨年4月に続き2度目で、首都も対象とした。アサド政権の後ろ盾のロシアが常任理事国を務める国連安全保障理事会では、結束した対応が期待できないと判断、大量破壊兵器である化学兵器の使用を問題視し、再び攻撃を決断した。

 米軍は巡航ミサイルのトマホークを使ってシリアの複数の標的を攻撃。米軍のダンフォード統合参謀本部議長によると、化学兵器関連施設3カ所を狙った。3カ国の攻撃は「成功したとみられる」との暫定評価を明らかにした。

 シリアのアサド政権側の高官は、米英仏の攻撃で発射されたミサイルは約30発で、うち3分の1を迎撃したと述べた。ホムスの標的を狙ったミサイルで民間人3人が負傷したとされる。

 一連の攻撃は終了したが、ホワイトハウスは、シリアでの化学兵器攻撃で猛毒サリンや塩素が使われた際にみられる症状が報告されたと明らかにした。

 トランプ氏は演説で化学兵器使用は「怪物による犯罪だ」と非難し、アサド政権を支援するロシアとイランにも「責任がある」とけん制した。

 一方、アサド政権を支持するロシアは、コサチョフ国際問題委員長が「許しがたい国際法違反で、主権国家への根拠なき攻撃だ」と非難。プーチン大統領は国連安全保障理事会の緊急会合開催を呼び掛けた。

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