草なぎ剛 大杉漣さんに涙の弔辞「神様って本当にいるのかよ」
急性心不全のため、2月21日に死去した俳優・大杉漣(おおすぎ・れん、本名・大杉孝=おおすぎ・たかし)さん(享年66)のお別れの会「さらば!ゴンタクレ」が14日、東京・青山葬儀所で営まれ、ビートたけし(71)、笑福亭鶴瓶(66)、遠藤憲一(56)、草なぎ剛(43)、木村佳乃(42)ら関係者700人が参列した。羽鳥慎一アナウンサー(47)が進行を務め、故人と親交が深かった草なぎ、木村らが涙ながらに弔辞を読み上げた。また、1000人の一般ファンも訪れ、献花台に花を手向けた。
自身を「現場者(げんばもん)」と呼び、役者の仕事を愛した大杉さんを1700人がしのんだ。
祭壇には大杉さんが設立したサッカーチーム・鰯クラブのユニホーム、故郷のJ2徳島の年間パス、帽子、めがねが飾られた。豪華な顔ぶれが勢ぞろいした式では、2016年に写真家の長男・隼平さん(35)が撮影した穏やかな表情の遺影が見守る中、涙の弔辞が続いた。
突然の訃報から約2カ月。ドラマ「嘘の戦争」などで共演した草なぎのショックは癒えていなかった。「残された僕らはそのまま時が止まって、整理が付かず困ったもんですよ」と心の空白が埋まらない現実を嘆き、「何度も何度も悔やんで、早すぎるよって何度も問いかけるけど、最後はあの低い声で笑って、漣さんの笑顔が残るだけなんですよね。本当にずるいよ。漣さんみたいに本当に優しくて、いい人をこんなに早く天国に連れて行っちゃうなんて、神様って本当にいるのかよって…」と絶句した。
敬愛する大杉さんの死で自暴自棄にもなったという草なぎは、未来での再会を思い描き「僕はやっぱり、また漣さんとお芝居したいです」と吐露。再び涙で言葉に詰まり、「また漣さんが連れてってくれた海でさ、ギターを持ってってさ、一緒に好きな歌を歌いましょうよ」と呼びかけた。
木村も号泣しながら、「レンレン」「ヨシヨシ」と呼び合った故人への思いを明かした。03年公開の映画「船を降りたら彼女の島」で初共演。愛媛の島での撮影は、宿の部屋がふすま1枚隔てただけで、大杉さんは「隣にヨシヨシがいると思うと寝られなかったよ」とぼやき、やくざ映画の怖いイメージはすぐに消え去ったという。
「娘のようにかわいがって下さいました」と感謝した木村は、「漣さんのことが心から大・大・大好きです。もう1度、ヨシヨシと言ってもらいたかった」と涙声で絞り出した。
悪ガキを意味する「ゴンタクレ」。誰からも愛された愛きょうたっぷりの大杉さんは、仲間の思いを笑顔で受け止めているはずだ。