財務省は１６日、週刊新潮が報じた、福田淳一事務次官による複数の女性記者へのセクハラ疑惑に関して、福田氏が疑惑を否定する反論コメントを発表した。同誌がＨＰで「セクハラ音源」も公開し、与党内で辞任論が強まっているが、福田氏は辞任論を退け、新潮社を名誉毀損（きそん）で提訴する準備を進めているとした。

　官僚トップが女性記者に「おっぱい触っていい？」などと発言したとする疑惑報道に対し、財務省はこの日、「福田事務次官に関する報道に係る調査について」と題した文書を公表。省内調査の「聴取結果」として福田氏の反論を掲載した。

　福田氏は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と強く否定。一方で「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」としたうえで「女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」と反論。「緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい」と辞任を否定した。

　また財務省は、同省記者クラブの加盟社に、福田氏から当該発言を受けた女性記者がいる場合は、調査協力を求める要請した。野田聖子女性活躍担当相は、これに対し、名古屋市内で記者団に「相当、やり方に違和感がある」と疑問を呈した。

　一方、「週刊新潮」編集部は「記事は全て事実に基づいたものです」と再反論し、１９日発売の次号で見解を示すとした。