上司に相談も“黙殺”を危惧…週刊新潮に情報提供 セクハラ被害のテレ朝女性記者

 福田淳一財務事務次官(58)によるセクハラ疑惑を受け、テレビ朝日は19日深夜0時から都内の同社で緊急会見を行い、被害に遭った同社の女性記者が上司に相談しながら“黙殺”されそうになったことを危惧し、週刊新潮に情報提供したことが明らかになった。

 女性記者は1年半ほど前の2016年から数回、取材目的で福田氏と1対1で会食をしたが、そのたびにセクハラ発言があったことから、自らの身を守るために会話の録音を始めたという。今月4日に福田氏からの連絡を受け、飲食した際にもセクハラ発言が多数あったことから、途中から録音した。そして、後日、テレビ朝日の上司に「セクハラの事実を報じるべきではないか」と相談したが、この上司は「放送すると本人が特定され、いわゆる二次被害が心配される」ことなどを理由に「報道は難しい」と伝えたという。

 女性社員は「財務事務次官という社会的に責任の重い立場の人物による不適切な行為が表に出なければ、今後もセクハラ被害が黙認され続けてしまう」という思いから、自ら週刊新潮に連絡し、取材を受けた。同誌には録音の一部も提供したという。具体的に何回分の録音データかについての質問に対して、篠塚局長は「詳細は申し上げられません」とした。また、この上司の性別については「本人の特定につながるので申し上げられません」として明言を避けた。

 テレビ朝日では「正式に財務省に抗議する」としながらも、社員による他媒体への情報提供については「報道機関として第三者に渡したことは不適切な行為であり、当社として遺憾に思う」とした。

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