光秀=裏切り者のイメージ覆すか 「麒麟がくる」で目指す「大河新時代」

 NHKが19日、2020年の大河ドラマが長谷川博己主演、池端俊策脚本で明智光秀を主人公に戦国武将の群像を描く「麒麟がくる」に決まったと発表した。制作統括の落合将氏は「大河新時代」を銘打って、今までにない作品にすることを強調した。全容が見えない中で、どんな物語になるのか探った。

 まず、1つの特徴は明智光秀は主人公ではあるが、光秀の一代記にはならないということが挙げられる。落合氏は「今回は戦国時代そのものを池端先生に知将・明智光秀のほとんど謎となっている若き頃の青春時代から描いて、斎藤道山や織田信長、それから今川義元、足利義昭、秀吉、家康」とファンも多い戦国時代のヒーローの群像劇にしたい考えでいる。

 そのため、光秀は幼子としては登場せず、「ある程度の年(齢)から始めたい」と落合氏は言う。1528年生まれの説をとり1540年代から物語をスタートさせるため、十代半ばから描かれ始める。ちなみに戦国時代の大きな出来事としては1534年生まれの信長が今川義元を撃破した桶狭間の戦いが1560年。信長の美濃攻略は1566年。室町幕府の滅亡が1573年。そして、本能寺の変は1582年となっている。

 その中で大きなテーマとなりそうなのは、因縁深い織田信長との関係性だ。脚本の池端氏は「信長と光秀の付き合いは14年しかないんです。14年間で、光秀は登りつめていく」という自説を語りながら、「秀吉は二十何年もかかった。譜代の家来がいるにも関わらず、光秀はそれだけ信長に引き上げられたというのは、よほど魅力があった」と“裏切り者”のイメージが強い光秀の“光”の部分に注目したという。

 出自、青年期、本能寺の変の真相、そして南光坊天海との同一人物説まである謎の多い人物だが、池端氏は「若者のころの光秀は神秘的で、誰も知らない。歴史家も知らない。そこから始めてみようと。戦国の中を元気よくはずんで生きていた青年の光秀がいるはずで、そういう光秀の成長を描きたい」と意気込んでいた。

 落合氏は「光秀というのは、恐らく勝者の視点をそれほど持たなかった人かもしれないですね。信長、家康も虎視眈々としていますし、自分(光秀)は陰にいて生涯をまっとうした方ですので、敗者の視点を大きく持っていたのではないか。今の時代としては共感を得るに値するキャラクターかと思います」と現代に光秀を扱う意義を語った。

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