大泉洋しかあり得ない 史上初!大宅賞&講談社賞ノンフィクションW受賞作を映画化
俳優の大泉洋(45)が、映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(今冬公開)に主演し、筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィーを抱えながら最強のワガママを貫き通した実在の男性を演じることが22日、分かった。同名ノンフィクションを原作に、難病の鹿野靖明さんとボランティアたちの交流を描く。キーパーソンの高畑充希(26)と三浦春馬(28)は大泉と初共演。大泉の故郷・北海道のオールロケで5月下旬から撮影に入る。
大泉が演じるのは、12歳のときに筋ジストロフィーを発症した実在の人物、鹿野靖明さん。体が不自由ながら、自ら集めた大勢のボランティアや両親に支えられて王様のように暮らしており、風変わりな生活ぶりと人柄を活写した原作は、史上初めて「大宅壮一ノンフィクション賞」と「講談社ノンフィクション賞」のダブル受賞に輝いている。
鹿野さんは夜中に突然、バナナを求めるなど超ワガママな一方、屈託のない性格で「男はつらいよ」シリーズの寅さんのように愛される、不思議な魅力を持った男性。2002年に42歳の若さで亡くなっている。
「ブタがいた教室」など命をテーマにした作品で知られる前田哲監督が、約3年前に配給の松竹に企画を持ち込み「鹿野さん役は大泉しかあり得ない」とプロデューサーと意気投合。大泉も、鹿野さんが自身と同じ北海道出身で、撮影もオール北海道ロケという縁があることから、難役に挑むことを決断した。
撮影は5月下旬から7月上旬まで。大泉は鹿野さんの生前の映像を研究し、鹿野さんを支えたボランティアの方々と対面して役作りするという。
大泉は「鹿野さんの人生に強烈に惹かれました。どんなに『ワガママ』を言っても周りから愛され続けた鹿野さんを、その理由を考えながら真摯(しんし)にコミカルに演じられたらと思ってます」と撮影を前に武者震い。車いすでの演技も、介助を受ける役柄も初で、俳優としての新境地を開きそうだ。