福田次官、辞め得? 処分なく辞任正式決定なら退職金5300万円
福田淳一財務事務次官のセクハラ疑惑を巡り、財務省は23日、野党が開いた合同ヒアリングで、福田氏がこのまま辞任した場合の退職金は約5300万円になると説明した。福田氏の辞任は24日に正式に決定する方向で調整に入ったが、次官を辞任し財務省を去れば懲戒処分の対象から外れ、満額支給される可能性が高まる。福田氏は疑惑を否定する一方で「職責を果たすことが困難だ」として辞任する考えを18日に表明した。
辞任後は国家公務員の懲戒処分対象から外れる。野党は辞任前の処分を要求しているが、“辞め得”“逃げ得”となりそうだ。
野党は23日午後に財務省を訪れ、長峯誠政務官に処分と謝罪を直接要求した。23日の合同ヒアリングでは、仮に即時に処分しない場合は、退職金が満額支払われないよう、官房付などとして辞任を当面保留するよう求めた。これに対し財務省の担当者は、人事権を持つ麻生太郎財務相に要求を伝えると応じた。
処分なしで辞任を認めることは国民の理解を得られないとして、「行政への信用失墜」を理由に辞任に合わせて処分する案も政府内で浮上しているが、福田氏がセクハラ行為を否定し続けている以上「処分は困難」(政府関係者)との見方も強い。
この問題では、テレビ朝日が19日に被害を公表し、セクハラがあったと認定した。その後も福田氏はセクハラ行為を否定し、疑惑を報じた新潮社を相手に裁判で争う考えを示している。
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題を巡り、辞任した佐川宣寿前国税庁長官の場合は、退職金が約4999万円だった。財務省は佐川氏に対し「減給20%3カ月」の懲戒処分を下しており、処分相当額66万円を差し引かれた。