テレ朝社長 会見で弱気発言に終始 政権への忖度モード!?
テレビ朝日は24日、都内の同局で角南源五社長が出席しての定例の社長会見を開いた。19日に、所属女性社員が財務省の福田淳一事務次官からセクハラを受けたと公表してから初の会見での角南社長の発言が注目されたが、社長は「申し上げることはない」という言葉を連発した。同席した篠塚浩報道局長は、自社で報道しなかったことについて、女性社員の上司による、テレビ朝日がセクハラを政治問題に利用しようとしていると受け取られることを懸念した“政権への忖度”が働いたことをにおわせた。
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会見に同席した篠塚報道局長は「政治問題を何か起こしていると誤解されかねない、と。何らかのわれわれの意図があると思われかねない」という思いが現場の上司にあったと説明。「もみ消しとか隠蔽(いんぺい)の意図は全くありませんでした」と話したが、政権への“配慮”が報道見合わせにつながったことを明かした。結果的に音声が第三者の「週刊新潮」に持ち込まれ、問題が発露した。
同局によると、女性記者は、セクハラ対策のため1年前から福田氏との会食を避けていたが、今回は4日にNHKのニュースの裏付けをするようセクハラの事実を知らない別のデスクから指示を受けた。具体的に福田氏の名前を挙げて取材を命じたものではなかったが、女性記者はたまたま電話をかけてきた福田氏との会食に赴いたという。
角南社長は、「社員からセクハラ情報があったにもかかわらず、社内で適切な対応ができなかったことは深く反省している」と述べたものの、自社の記者が被害を受けた報道機関のトップとしての毅然(きぜん)とした態度はなし。下村博文元文科相が、週刊誌に音声データを譲った行為を「ある意味、犯罪」と表現したが、これに「特に私から申し上げることはございません」と述べるなど、奥歯にものが挟まったような弱気な発言に終始した。
なお、19日未明にセクハラ被害を発表したテレビ朝日の記者会見について、23日発売の「週刊現代」が、首相官邸とテレビ朝日幹部が会見のタイミングや内容を細かく打ち合わせしたなどと報じたが、同局は同日付で「打ち合わせを行ったことは全くありません。明らかに事実誤認」との週刊現代への抗議文を提出している。