ディーン・フジオカ 全編インドネシアロケの主演映画にびっくり、内戦が30年続く
俳優のディーン・フジオカ(37)が7日、都内で行われた、主演映画「海を駆ける」(26日公開)の完成披露上映会に出席した。同作は全編、インドネシアロケを行っており、同国に拠点を持つディーンにとっては母国映画とも言える1本だ。ただ、撮影を行ったアチェ州は約30年間内戦が続き、2004年には津波災害で約17万人が亡くなった場所だけに「オールロケって気が狂ってるのかと思いましたよ。ジャカルタにいる家族にも『そんなところに何しに行くの』って言われました。現地でも『何か作る』って考えないような場所です」と不安が隣り合わせだったことも明かした。
しかし、現地と日本人のスタッフが協力して作り上げた作品への思いは人一倍。「内戦で傷つけ合った人たちが、津波の被害に遭って傷つけ合うことをやめたんです。アチェではみんな何かしらで傷ついているのに人々は明るくて、未来への希望を感じました」と力説した。現地の美しい風景も映像に収められており「みんなもっとインドネシアの魅力に気付けばいいのに」と即席観光大使となってアピールした。
映画は海岸で倒れているところを発見された正体不明の男(ディーン)をめぐる物語。ラウと名付けられた男の周囲で起こる不思議な出来事を幻想的に描いている。出演はほかに鶴田真由(48)、太賀(25)、阿部純子(25)ら。この日の舞台あいさつでは深田晃司監督(38)にフランス文化省から芸術文化勲章のシュバリエ(騎士)が贈られることも発表された。