難波弘之、センス・オブ・ワンダーを語る(後)体が動く限りはやりたい
日本のロック/ポップス界を代表するキーボード奏者で、日本のプログレッシブ・ロックの第一人者でもある難波弘之(64)のバンド「センス・オブ・ワンダー」(以下SOW)のツアーが11日に仙台で始まった。
約40年に及ぶ盟友である山下達郎をはじめ、竹内まりや、故大滝詠一さんら多くのアーティストの膨大なライブやレコーディングへの参加、ソロや野獣王国、ヌーヴォ・イミグラート、A.P.J.などのバンドやユニットといった幅広い音楽活動の中でも「ライフワーク」と位置づけるSOWについて、このほど神戸市のデイリースポーツを訪れた難波が語った。今回はその後編をお送りする。
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-今回のSOWのツアーは、どのようなものになりますか。
「年に1回のこのライブはいつも通り、色んな新しいのと古いのと取り混ぜてって感じです。ただ、演劇集団キャラメルボックスの『夏への扉』が再演されたので、わりと『夏への扉』関係の曲を多めに。僕の曲とか玲里(※)の曲とかがテーマ曲とか挿入歌になってるんで、そういう曲が今年は多めになっている感じですね」
-聴きどころ、見どころをお願いします。
「わずかな本数ですけど、1年1回でも自分の音楽を聴いていただけるのはね。機材が多いので動くのが大変なんですね。キーボードもフルセットだしドラムもすごいセットだし。でも、ああいうセットも含めて見ていただくっていうのが。スタッフも大変そう、メンバーも大変そうみたいな。少ない人数で多い機材でやるっていう感じが。体が動く限りはやりたいなって思っているんで。しんどそうなところを見ていただくのが醍醐味(だいごみ)かなと」
-SOWはそろそろ結成40年ですが、記念の新作を作ろうというプランなどは。
「曲はできればアレなんですけど、何せ今メチャクチャ忙しくてですね、今年をどうにか…今、同じく40周年だった(金子マリ&)バックス・バニーが-アレも達郎の40周年と僕の40周年と重なっちゃったもんで-去年ようやく、今までCDになってなかったファーストも含めてボックスセットで再発して、ライブやって、そのライブのDVD出して。今、鳴瀬喜博が、バックス・バニーを俺の終活にするって言って、最後のアルバムを作るって。
ヌーヴォ・イミグラートも去年20周年だったんですけど、それもやろうっていって始まったんですけど、できなくて。20周年記念盤を21年目に入って作ってんですけど、みんな忙しくてなかなか集まれなくて、へたすると出るのが、22年目に入っちゃう可能性が。
それと玲里(※)の4枚目を今作ってるのと、三つどもえで進む感じですかね、(山下)達郎ツアーの間に。
(SOw40周年は)そういうのをやっつけた後にって感じになっちゃうと思うんですけど。今ホントにね、メンバーのスケジュール調整をするのが、皆さんお忙しくて大変で」
SOWのツアーは11日の仙台・LIVE HOUSE enn 2ndで開幕。今後の予定は次のようになっている。
◇16日 京都・Live Spot RAG
◇17日 神戸・CHCKEN GEORGE
◇18日 名古屋・ell.SIZE
◇25日 東京・下北沢GARDEN
※難波の娘でシンガー・ソングライター。3rdアルバム「OPEN WORLD」は山下達郎・竹内まりや夫妻も高く評価。