岸井成格さん死去「NEWS23」元アンカー 73歳、肺腺がん 関口宏「残念」
TBS「サンデーモーニング」などのコメンテーターを務める毎日新聞特別編集委員で、同局「NEWS23」の元アンカー、岸井成格(きしい・しげただ)さんが15日午前3時35分、肺腺がんのため東京都の自宅で亡くなった。73歳だった。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行う。後日お別れの会を開く予定。コメンテーターを務めていたTBS系「サンデーモーニング」には17年12月3日の生放送まで出演していた。
穏やかな語り口と鋭い舌鋒でお茶の間にも親しまれた、良識あるジャーナリストが、がんとの闘病の末、息を引き取った。
2007年12月に「サンデーモーニング」で大腸がんを公表。17年10月にも治療のため入院していたことを明かし、同12月3日の放送を最後に、病状悪化を理由に同番組の出演を見合わせていた。
「サンデー-」の司会を務める俳優の関口宏(74)は、この日の「NEWS23」にVTR出演し、「いつかは来ちゃうかなって思いはあったな…。最後に会ったのは春ちょっと前。その時言葉がなかなか出ない状態だった。『何か言いたいことない?』って言ったら、一生懸命声を出そうとして、『たるんじゃったな、みんな』って。それが最後に聞いた彼の言葉だった。残念です」と唇をかみしめた。
岸井さんは慶応大法学部卒業後の1967年、毎日新聞社入社。熊本支局から東京本社政治部、ワシントン特派員、サンデー毎日編集部などを経て、政治部長、論説委員長、主筆を歴任。13年4月から16年3月まで「-23」でアンカーとしてニュース解説を担当した。14年には「橋田賞」を報道番組の解説者として初めて受賞した。
安保法案には反対する立場をとっており、15年9月、同番組で安保法案に関する発言。これに、「放送法遵守を求める視聴者の会」が全国紙に意見広告を掲載し、公開質問状を出す騒ぎとなり、同年末には番組降板。16年1月15日、TBSは岸井氏と「専属スペシャルコメンテーター」としての契約を結んでいた。
「永田町の(秘)通信簿」「大転換 瓦解へのシナリオ」「議員の品格」など著書も多数。