栗城史多さん死去 指9本失った登山家 下山中に低体温症か

 世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂を目指していた登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さん(35)の事務所は21日、栗城さんが遺体で発見されたと明らかにした。

 ネパール山岳関係者によると、登頂を断念し、下山する途中で死亡したという。死因など詳しい状況は不明。栗城さんは2009年に初めてのエベレストに挑戦するも、ことごとくその壁にはね返され、今回が8度目の挑戦だった。

 事務所によると、栗城さんは2004年の北米デナリ(旧称マッキンリー)を皮切りに6大陸の最高峰を制覇。09年からエベレスト登頂に挑戦したが、いずれも失敗した。12年の挑戦では、凍傷で手の指9本の大部分を失った。

 公式フェイスブックによると、「このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました」と死亡したと報告。下山途中に無線連絡に反応がなくなり、キャンプ2近くの撮影隊が捜索、「低体温で息絶えた栗城を発見いたしました」と亡くなった状況を説明した。

 栗城さんは12日にエベレストのベースキャンプを出発。「苦しみも困難も感じ、感謝しながら、登ってます」と伝えた後の21日「体調が悪く、7400メートル地点から下山することになりました」と報告していた。

 栗城さんにとってエベレストは特別な山だった。大学山岳部で登山を開始し、09年に初めてエベレストに挑戦。同年は北側から、10年は南側から挑戦も失敗。11年は7800メートル地点で、カラスに食料を食い荒らされ、テント用ポールも無くしたことから登頂を断念した。

 そして12年、ヒマラヤのジェット気流の強風に悩まされ断念。下山途中に両手、両脚、鼻に重度の凍傷を負い、両手の指9本を失った。それでもエベレスト挑戦を続け、15、16、17年も挑戦したが断念し、今回が8度目の挑戦だった。大けがに見舞われても何度も頂上にアタックし続けた栗城さんの夢が果たされることはなくなってしまった。

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