是枝監督「宣伝活動しないと」 カンヌ国際映画祭「パルムドール」受賞凱旋会見
「第71回カンヌ国際映画祭」で、「万引き家族」(6月8日公開)が最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督(55)が23日、滞在先の米ニューヨークから帰国し、羽田空港内で会見した。
冒頭でトロフィーを披露した是枝監督は「スタッフのにこやかな顔を見まして、ちょっと実感が湧いてきました」と安どの表情を浮かべた。一方で、「公開がまだ。来月へ向けて宣伝活動しないと。ゆるんだ顔を見せてばかりではなく、頑張っていきたい」と話して笑わせた。
日本映画が同賞を受賞したのは97年の今村昌平監督作「うなぎ」以来21年ぶりで5作目。受賞を受け、当初の全国200館から300館以上への拡大公開が決定した。6月2、3日の先行上映も決まった。また、149の国と地域に販売予定で、さらに増える見込み。是枝監督が書き下ろした同名小説(28日発売、宝島社)も発売前に3万部の重版が決定した。
米ニューヨークは次回作の打ち合わせで来訪。「まさかこんなことになるとは思わず、(カンヌ)直後に予定を入れた」という。「重い」というトロフィーはニューヨークに持参しなかったため、この日、久々に対面した。「会見が終わった後はどうしよう。僕が持ってていいのかな。ひと晩くらいは抱いて寝ようと思います」。幸せそうな笑顔の是枝監督に、報道陣80人からも大きな拍手が起こった。