１６日に急性心不全のために亡くなった歌手の西城秀樹（本名木本龍雄＝きもと・たつお）さん（享年６３）の通夜が２５日、東京・青山葬儀所で営まれた。

　郷ひろみ（６２）、野口五郎（６２）、五木ひろし（７０）、和田アキ子（６８）ら関係者とファン合わせて４０００人が参列。西城さんが１９７４年に日本人初のスタジアム公演を実現させた、大阪球場をイメージした祭壇が、旅立ちの“ラストステージ”となった。

　郷と野口は最前列に並び、西城さんの祭壇と向き合った。「週刊新潮」２０１６年２月２５日号で還暦を記念し、鼎談（ていだん）を行って以来、２年ぶりとなる新御三家の“勢ぞろい”だった。

　デビューの順に、野口が長男、西城さんが次男、郷が三男と兄弟のような関係性を築いてきた。当時は、１週間で５０本以上の歌番組に出演していた時代。焼香後、報道陣に対応した郷は、「毎日のように一緒にいましたからね。一緒にいることが当たり前で育ってきた感覚。余計にこう…心に大きな穴が開いてしまったって感じです」と空を見つめ、言葉を絞り出した。

　西城さんについて「僕にないダイナミックさ、歌唱法なり、動きなり、精神性なりを持っていた。後からデビューした僕にとってみると、背中を見るように一生懸命、学んできた感覚」と特別な存在だったことを語った。

　焼香も一緒にした野口と何を話したか聞かれた郷は「『本当に残念でしょうがない。毎日泣いてる』と言ってました」。自身は涙がこぼれるのを必死にこらえ、「僕よりはるかに秀樹に近い存在だったので、五郎の悲しみは想像できないほど深いんだと思います」と気持ちをおもんぱかった。

　野口と郷は、２６日の告別式で弔辞を読む予定。“兄弟”そろって西城さんを送り出す。２７日に全国ツアーの初日を控える郷は、通しリハーサルなど準備の大詰めを迎える日だが、リハーサルの時間をずらし、告別式に参列する。