「ブラックペアン」の演出抗議にTBS編成局長が「フィクション」と説明
TBSが30日、都内の同局で定例の社長会見を開いた。天才外科医と、その周辺の医療現場を描いた日曜ドラマ「ブラックペアン」(日曜、後9時)の演出で、作中に登場する臨床研究コーディネーター(CRC)の仕事内容が、実際と乖離が大きいと日本臨床薬理学会から抗議文を提出されたことについて、伊佐野英樹編成局長が「実際のものとちょっと違う部分を誇張することがあるのがフィクションでありドラマだと思っています」という立場で同学会側に説明していると明かした。
伊佐野局長によると、ドラマの担当プロデューサーが学会側と話し合いをしており、「いろいろと相互理解を進める形でお話を進めさせていただいている。基本的にはドラマでフィクションとなりますので、こちらからその旨をご説明し、今、お話ししている形であります」とTBSとしての立場を説明した。
「ブラックペアン」では治験コーディネーターという立場の人物が被験者に負担軽減費という名目で300万円を手渡しするシーンがあった。同学会側は公式フェイスブックで「高額の軽減費で治験への参加を誘導することは厳に戒められておりますし、負担軽減費の具体的な額は治験審査委員会でその額の妥当性についてあらかじめ審査されています」と指摘していた。
「フィクションであり、演出である」という立場を繰り返し説明した伊佐野編成局長は、抗議を受けてドラマ内容を変更した、あるいは今後変更する可能性について「視聴者のリアクションを見たり、反響でいろいろ変えていくのが連続ドラマですので」と回答した。「ご指摘を受けたから変えたうんぬんとは聞いてはおりませんけども、生き物だというふうに思っております。決まり切ったものがそれによって変わったとはないと思いますけども、前提として、いろいろ変化していきながら、つくっていくものと思っております」と、抗議の有無によらず、そもそも演出が変化していくことはつきものだとした。