翻訳家寺尾次郎さん死去 元「シュガー・ベイブ」ベーシスト 62歳、胃がん
映画字幕などを手掛けた翻訳家の寺尾次郎(てらお・じろう)さんが6日、胃がんのため東京都杉並区の病院で亡くなった。62歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は妻恵子(けいこ)さん。
寺尾さんは1970年代、ミュージシャンとして山下達郎、大貫妙子らのバンド「シュガー・ベイブ」でベーシストとして活動。その後、ジャン=リュック・ゴダール監督作品など、フランス映画を中心とした映画字幕翻訳家として活躍した。
長女でミュージシャン、作家の寺尾紗穂はツイッターで「父寺尾次郎が今朝永眠しました。私としては長らく『遠くて遠い』父でしたが、最後に少し近く感じる事ができました。ホスピスに移る日、看護師さんに『またどこかで』と言った父の姿が目に焼き付いてます。映画の一場面のようでした」とコメントした。また、ミュージシャンの佐野元春もツイッターで「お悔やみ申し上げます。アマチュアの頃バンドで一緒だった。素晴らしいベーシストであり、ゴダール映画の優れた字幕翻訳者だった」と追悼した。