１２日の米朝首脳会談のためにシンガポールを訪問中の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は１１日、同行した高官らが米国との協議を行っていた日中は滞在先のホテルから外に出なかったが、夜になって外出した。歴史的な会談の前夜、ホテルを出る際には笑顔を見せる余裕で、観光名所のリゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」に立ち寄った。

　金正恩氏ら北朝鮮代表団が泊まるホテル「セントレジス」では、スーツ姿の北朝鮮の警備要員がロビーなどを頻繁に行き来したが、１０日に金氏が出入りした際のような厳重な警備ではなかった。

　午後には努光鉄人民武力相や三池淵（サムジヨン）管弦楽団の玄松月団長らが私服姿でホテルから出て、大型バンに乗り込んだ。韓国の聯合ニュースは一行がシンガポール市内の数カ所を訪れたと報じており、経済関連の施設を視察した可能性もある。

　またホテル内の高級すし店には北朝鮮当局者が支払いに訪れる場面も。北朝鮮側は金氏のために食料を貨物機で輸送したとされている。すし店での注文内容は分かっていない。