JAPANの名盤2作 ハーフスピードマスタリングLPで発売決定
英国の伝説的ロックバンド「JAPAN」の名盤「孤独な影」(1980年)と「錻力の太鼓」(81年)が、ハーフスピードマスタリングLPで8月24日に発売されることが20日、発表された。
JAPANはデヴィッド・シルヴィアン(ボーカル)を中心に1977年結成。YMOや一風堂の土屋昌巳ら日本人アーティストとも密に交流し、日本でも女性を中心に熱狂的な人気を獲得した。
「孤独な影」は4作目のアルバムで、ヴァージン移籍第1弾。ベースとドラムスが織り成すダウナーな音響サウンドとシルヴィアンの神秘的な歌声が重なり、次作「錻力の太鼓」で完成を見るジャパンスタイルの変容を捉えた転換期の重要作だ。坂本龍一(YMO)の参加も大きな話題になった。全英アルバムチャート45位を記録している。
「錻力の太鼓」は5作目にして最後のスタジオアルバム。ロブ・ディーン(ギター)脱退で4人編成となったが、少人数ゆえかメンバーの個性が濃密に融合し、ワールドミュージックのリズムと欧州的な美意識、アンビエント感覚などを合わせ持つ新しい音楽を生み出した。全英アルバムチャート12位、シングルカットされた「ゴウスツ」が全英シングルチャート5位と、皮肉にも最終作にしてバンド史上最も商業的に成功することになる。
ハーフスピードマスタリングは、マスターテープを通常の半分のスピードで再生することでテープマシンからより豊富な音楽情報を抽出し、カッティングヘッドが2倍の時間をかけて複雑なグルーヴをマスターラッカーへとダイレクトに刻印。レンジが広く、躍動感と生命感にあふれた音圧が生まれる。ハーフスピードにより、カッティングアンプも半分のパワーで済み、ゆがみも減少する。
今回のマスタリングはマイルズ・ショーウェルが担当し、英ロンドンのアビイロードスタジオで行われた。LPは45回転の180グラム重量盤2枚組で、特殊帯と同スタジオの証明書付き。33回転の1LP版も同時発売される。