西日本豪雨死者80人超える 不明者多数…懸命の救助、捜索続く 避難3万人超
活発な梅雨前線による西日本豪雨で、被害の大きい中国・四国地方などでは8日、自衛隊などが救助活動や安否不明者の捜索を続けた。死者は80人を超えた。不明者もまだ多数いる。
気象庁は、大雨特別警報を全て解除したが、引き続き土砂災害や河川氾濫への警戒を呼び掛けている。
政府は非常災害対策本部を設置。安倍晋三首相は「救命救助や避難の誘導に全力で当たってもらいたい」と指示した。
岡山県倉敷市真備町地区(人口約2万2千人)では、川の堤防が決壊し、地区の約3割が浸水。病院や建物の屋上などに千人以上が一時取り残され、ヘリコプターやボートでの救助が続き、国土交通省はポンプ車を使って排水作業を始めた。
8日も各地で死者の確認が相次いだ。広島県福山市では、ため池の決壊で家屋ごと水に流された女児(3)が遺体で発見された。岐阜県関市、京都府綾部市、高知県大月町、広島県呉市、東広島市などでも死者が確認された。
消防庁は20府県の避難所に計3万250人(午後3時時点)が身を寄せていると発表。。避難所ではない施設や親戚宅に逃げている人のほか、道路が冠水して自宅に取り残された人も多いとみられる。全半壊や下浸水の住宅被害は数千棟に及んでいるが、情報収集が進んでいない地域もあり、被害はさらに増える見通し。
国土交通省によると、少なくとも28道府県で201件の土砂災害を確認、堤防から水があふれるなど、河川の浸水は199カ所に上った。全容は把握できていない。