被害全貌まだ見えず…平成最悪の水害 死者120人超、安否不明80人超
活発な梅雨前線による西日本豪雨の死者は9日、12府県で126人に上った。長雨から一転、梅雨明けで太陽が照りつける厳しい暑さのなか、消防や自衛隊による懸命な救助活動が続けられたが、広島県の土砂災害現場や、広範囲に冠水した岡山県倉敷市真備地区などで犠牲者が増えた。死者・行方不明者299人を出した1982年の長崎水害以降、最悪の被害。安否不明者も多数で、全容はまだ見えない。
水が引くと、泥にまみれた無残な町の姿が現れた。生存率が下がるとされる72時間が迫る。孤立した病院や老人ホームで、ヘリコプターやボートを使った必死の救出活動が続いた。しかし、捜索活動は大量の土砂や水に阻まれ難航し、被害の全貌はまだ見えない。
岡山県倉敷市真備町地区。9日になって水は徐々に引き、行方不明者の捜索が本格化した。住宅地を歩く警察官の腕の中には白い布に包まれた、子どもとみられる小さな遺体。沈痛な面持ちで道路脇の車両に収容した。
1階部分が水没し、多くの患者や職員らが孤立していた「まび記念病院」の上空には8日午前10時ごろ、ヘリが到着。重篤患者らを乗せた担架が屋上に待機し、救助隊員がヘリからつるしたロープをくくりつけ、ゆっくり引き上げた。
真備町地区からの避難者が身を寄せた同県総社市の体育館には、復興を願う七夕の短冊があった。