歌丸さんにカツラなんですか?と聞き「地毛だよ!」と怒られた…米團治しのぶ
神戸・新開地に新設された上方落語の定席「神戸新開地・喜楽館(きらくかん)」が11日、開業した。かつて日本有数の歓楽街だった時代のにぎやかさを取り戻したいと願う地元の熱意を受け、上方落語協会が協力。紆余(うよ)曲折の末、4年がかりでオープンを迎えた。
開業公演の口上では、協会副会長の桂米團治(59)が、2日に亡くなった桂歌丸さんをしのんだ。
米團治は、2006年に大阪・天満天神繁昌亭が開業した際に、歌丸さんが開業公演にゲスト来場したことを回想。司会を務める予定だった父の桂米朝さんがけがをしてしまい、急遽、米團治に代役が回ってきたという。
「歌丸師匠がいらして、緊張して、落語芸術協会会長という舌かみそうな肩書きを言うのに必死で…言えた!と思ったら、“三遊亭”歌丸師匠と間違えてしまいました」と頭を下げた。
さらに歌丸さんから「桂だよ」と言われた米團治が「ええっ、カツラなんですか」と大ボケで返してしまい、歌丸さんに「これは地毛だよ!」と怒られたところで、そのまま緞帳(どんちょう)が下りてしまったとわびていた。
協会会長の笑福亭仁智(65)は「歌丸師匠の告別式の日に、この喜楽館は産声をあげました。皆さま、若い噺家たちを、喜楽館で、すばらしい力のある噺家になれるよう育ててやってください」と、支援を求めていた。