円楽は歌丸さんの遺志継ぎ高座優先 「ちゃんと落語やっておくれよ」って…
2日に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため81歳で死去した落語家の桂歌丸(本名・椎名巌=しいな・いわお)さんの告別式が11日、横浜市の妙蓮寺で行われた。師匠の桂米丸(93)、落語協会会長の柳亭市馬(56)、「笑点」の同僚・林家木久扇(80)が弔辞を読み、友人代表として歌舞伎俳優・中村吉右衛門(74)があいさつ。関係者1000人、ファン1500人の計2500人が参列し、長きにわたり大衆に愛された大落語家との最後の別れを惜しんだ。
歌丸さんを「守ってくれた最後の父親」と慕っていた三遊亭円楽(68)は、開会と同時刻に、歌丸さんが館長を務めた「横浜にぎわい座」で高座に上るため、開会前に焼香に訪れた。2016年に得度しており、法衣姿で最後の別れを告げた。そして「『ちょっと顔出したら、楽さんはにぎわい座でもってちゃんと落語やっておくれよ』って言われてる気がしましてねぇ」と、歌丸さんの遺志を継ぎ高座を優先した思いを口にした。
歌丸さんについて「病の痛み、苦しみから解放されたこと、そしてこの年で新しい落語を覚えたり、一から作り直したりする苦労から解放されて、とても安らかなお顔だった」とし、「別れるって言ったって、僕の心の中にはずっと歌丸師匠がいる。だから『まだ呼ばないでくださいよ』と語り掛けました」と愛情をにじませた。
また、“芸の鬼”だった歌丸さんを「あちらの世界には、素晴らしい看板のお師匠たちがそろってらっしゃいますから、『いけねえ、また稽古しなきゃ!』って思ってると思います。負けず嫌いですから」と思いやっていた。