１９８７年に死去した故・石原裕次郎さんの命日である１７日、裕次郎さんの眠る横浜市の総持寺で三十二回忌法要が営まれ、石原プロモーション会長の石原まき子夫人（８４）、俳優・舘ひろし（６８）、神田正輝（６７）らが参列した。法要後に会見が行われ、８月２２日の東京・松屋銀座を皮切りに、裕次郎さんの遺品を各地で展示する全国縦断「石原裕次郎の軌跡」展を開催することが発表された。昨年閉館した北海道・小樽の石原裕次郎記念館にも展示されなかった指輪が初公開される。２年をかけて全国８カ所で行われる予定。

　“移動式裕次郎記念館”が実現する。昨年８月で記念館が閉館した後も問い合わせが相次ぎ、裕次郎さんから全国各地に会いに行くことになった。－軌跡展では、記念館で披露された約２万点のうち、厳選された１０００点以上が展示される。

　目玉は“門外不出”でまき子夫人が大切に保管していた指輪４点だ。婚約指輪、夫妻それぞれの結婚指輪、裕次郎さんが結婚１周年に贈った指輪が初展示される。まき子夫人は、「本物を披露するのは初めて。かつて夫婦であった証拠を展示させていただく」と声を弾ませた。

　婚約指輪を受け取った当時について、「俳優同士の恋愛はご法度だった。（夫は）結婚への純粋な気持ちで、将来の女房にしたいという気持ちを表現したかったと思う。当日、いただいたときは感激した」と振り返り、渡し方を聞かれると「ただパッと本物を見せてくれて、私はさっさと自分ではめました」と明かして笑わせた。

　銀座では当時、日本で裕次郎さんと力道山しか所有していなかったという愛車メルセデスベンツ３００ＳＬガルウイングも披露される。“お宝”に舘が「（展示後に）いただけるなら」と食いついたが、まき子夫人は「そうはいかない」と却下。神田も「ロレックスの世界時計ＧＭＴの赤とブルー」を「（展示が）終わったら、僕のものじゃないかと」と狙ったが、まき子夫人が「正輝ちゃんから言われても無理」と即答され、撃沈した。

　軌跡展は東京の後は名古屋三越（１２月２６日～１月２１日予定）が決定済みで横浜も候補。８カ所で開催予定だが、オファー次第で増やす用意があるという。