市村正親「演劇の偉大なお父さん」数々の金言、後輩に伝える

 “演劇界の巨人”演出家・浅利慶太さんの訃報に衝撃が広がった。劇団四季の在籍時に演出助手を務めていた俳優の石坂浩二(77)は18日、都内で行われた「橋田賞」の授賞式後に会見し、涙。四季時代に浅利さんの演出を受けた俳優の鹿賀丈史(67)、市村正親(69)も同日会見し、恩師への感謝を告白した。

 1973年から90年まで劇団四季に在籍した市村は、都内での会見で「偉大な演技のお父さん」と感謝した。

 大阪から「モーツァルト!」千秋楽を終えて駆けつけた。「食が細くなったと聞いて心配していた。偉大な方でした。稽古場で寝ているのに『寝てないよ』と言うチャーミングなところもあった」と食事、ゴルフなど公私でお世話になった“父”を思い返し、瞳を潤ませた。

 入団4年目に浅利さんから「鹿賀がステーキでお前はクレソンだ」と言われた。「俺は葉っぱかと…。でも、太陽でなくても月の演技がある」と人を輝かせる欠かせない存在であると奮闘した。

 「他人の時計をのぞくな」「芝居の演技は蓮の上の水たまり」と金言ももらった。「他を気にしない」「演技に同じ形はない」と理解し、「名優・市村が誕生した。後輩に伝えていきますよ」と約束した。

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