劇団四季出身者から悲しみの声 前田美波里「ミュージカルの歴史を変えた演出家」
劇団四季の創設メンバーで、「キャッツ」「ラインオンキング」などを手がけた演出家・浅利慶太さんが、悪性リンパ腫のため13日午後5時33分、東京都港区の病院で死去したことが18日、分かった。85歳だった。浅利氏の事務所と劇団四季が連名ファクスで発表した。劇団四季出身者からは悲しみの声が続いた。
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女優・前田美波里「突然の訃報にとても驚いております。日本におけるミュージカルの歴史を変えた演出家であり、私自身、舞台に立つための基礎を学ばせていただいた方でした。今こうして舞台に立っていられるのも先生のおかげですと伝えたいです。劇団員の方々だけでなく、外部の人間にもチャンスを与えてくださった素晴らしい方でした」
俳優・大和田伸也「浅利さんは、最初の演技の先生です。その頃の先生は、スリッパがよく飛んできました。それだけ演技に対して熱く信念をもって教えてくれたのです。その後、お会いするたびに『たまには、また、一緒に芝居やろうよ!』と優しく声を掛けてくださいました。浅利さんは私にとって、演劇というもののシンボルです。いまだに、ちゃんと演技しないと、スリッパが飛んできそうな気がします」
女優・堀内敬子「知らせを受けて、しばらく言葉を失いました。高校を卒業してすぐ劇団に入り、たくさんのことを教えていただきました。色々な思い出がよみがえります。沢山、沢山、叱られました。とてもとても淋しいです。先生、ありがとうございました」
俳優・石丸幹二「演劇について何も知らないまま受けた劇団四季のオーディションで私に目を留めてくださり、演劇の世界に導いてくださいました。『演劇は一人の力ではなく、仲間と共に創ってゆくもの』という姿勢を教えてくださいました。昨年12月、劇場でお目にかかった際、『お前は舞台に立ち続けるんだぞ』と、言葉をかけてくださった先生のお顔が脳裏に浮かびました。私にとりまして浅利先生は、いつも行き先をしっかり照らしてくださる灯台のような存在でした」