「羅生門」「七人の侍」手掛けた脚本家・橋本忍さん死去 100歳、肺炎で
「羅生門」「七人の侍」などの名作を手掛け、日本映画を代表する脚本家の橋本忍(はしもと・しのぶ)さんが19日午前9時26分、肺炎のため東京都世田谷区の自宅で死去した。100歳。兵庫県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は長女綾(あや)さん。
橋本さんは、昨年9月に気管支拡張症で入院、同月末に退院してから自宅で過ごしてきた。小説「天武の夢」を執筆中で1日1回書斎に入ると、1、2時間はワープロに向かうなど創作意欲は衰えなかった。
旧国鉄に勤務し、軍隊を病気で除隊後、伊丹万作監督に師事。黒沢明監督と脚本を共作した1950年の「羅生門」がベネチア国際映画祭金獅子賞などの映画賞を獲得、一躍脚光を浴びた。以後、「生きる」「七人の侍」「隠し砦の三悪人」など黒沢作品の脚本の共同執筆に加わった。
また「張込み」「砂の器」(いずれも野村芳太郎監督)や「霧の旗」(山田洋次監督)など、松本清張さん原作の脚本も手掛けた。
脚本を務めた他の主な映画に小林正樹監督「切腹」、山本薩夫監督「白い巨塔」、岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」、森谷司郎監督「日本沈没」「八甲田山」など。
脚本・監督作に、フランキー堺さんが主演した「私は貝になりたい」などがある。