19年大河「いだてん」酷暑ロケ 勘九郎はくじけん…黒の冬用ロングコートで演技
来年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」のロケ取材会が20日、茨城県つくばみらい市の「ワープステーション江戸」で行われ、主演の歌舞伎俳優・中村勘九郎(36)、俳優・役所広司(62)らが出席した。日本初の五輪選手となったマラソンランナー・金栗四三氏を演じる勘九郎は、真夏の撮影に汗だく。2年後も酷暑の中で五輪を迎えるであろうアスリートたちに「本当にすごい」と敬意を示した。
酷暑の中での撮影に四苦八苦する勘九郎が、同じく酷暑の中での戦いに挑むアスリートへ向け、真剣な表情で言葉を贈った。
この日も最高気温が35度に達する中、勘九郎は劇中衣装である黒の冬用ロングコートを着用して取材会に登場。同じコートをまとった役所が「この猛暑の中、すごくつらい」とこぼすほどタフな条件下ながら、撮影の合間は頭に氷のうを乗せてしのぐなど、必死の対策でロケをこなしている。
東京五輪も、7月22日から8月9日と、暑さのピークとなる期間に開催されるため、勘九郎は「この暑さで戦うアスリートの方々は、本当にすごいと思います」と驚嘆した。自身が演じる金栗氏は1912年のストックホルム五輪で熱中症により途中棄権に追い込まれた人物。それだけに、現在進められている「路面温度上昇抑制機能を有する舗装の整備」などの例を挙げ、「アスリートの方々が持てる力を出せるような環境を作ってもらえたら」と語った。
勘九郎自身は「マラソンランナーをやらせていただく上で、説得力のある体にはしなきゃいけない」と、昨夏からランニングコーチの金哲彦氏(54)の指導でマラソン練習を開始。多い日には1日10キロ以上の走り込みをこなしているという。体脂肪率も10%程度まで落とし、シェイプアップは順調。東京五輪への“序章”となる作品へ向け、体も心も“熱く”まい進している。
撮影が行われた「ワープステーション江戸」は、NHKエンタープライズが設立した首都圏唯一の大型時代劇オープンセット。「いだてん」は大正、昭和時代の物語のため、6月に新設された近現代エリアが使用されている。同エリアには路面電車が設置され、当時の新橋、浅草などを想起させる町並みを再現。勘九郎は「テーマパークに足を踏み入れたようなセットで撮影ができていることを、幸せに思います」と笑顔で話した。