熱中症 過去最多!搬送2万2647人、死者65人
日本列島は24日も広く高気圧に覆われ、岐阜県美濃市で39・3度を記録するなど各地で気温が上昇した。愛知、山口、香川、愛媛、高知の各県では熱中症の症状で計7人が死亡。石川県で22日に1人が死亡していたことも新たに判明した。25日も西日本を中心に厳しい暑さが続くとみられ、気象庁は水分・塩分の補給や適切な室温管理など熱中症予防に必要な対策を取るよう呼び掛けている。
総務省消防庁は24日、熱中症のため16~22日の1週間に全国で2万2647人が搬送されたとの速報値を発表。うち死亡したのは65人で、1週間の搬送者数、死者数とも集計を始めた2008年以降で最多となった。
東京消防庁は前日23日に熱中症の疑いによる搬送者数が371人(速報値)、同日の救急出動が3383件(同)で、いずれも過去最多だったと明らかにした。1日の救急出動件数は今夏5度目の記録更新になった。
気象庁によると、24日も各地で気温が上昇。23日に41・1度を記録し、観測史上の最高気温を更新した埼玉県熊谷市は37・4度。同じ日に40度台を観測した岐阜県多治見市は39・1度、甲府市は38・5度、東京都青梅市は36・8度。全国に630地点で30度以上になった。このうち211地点は35度以上の猛暑日になった。
家庭や企業でエアコンを使用するため、東京電力管内では、電力需要が午後2時台に2016年4月の電力小売り全面自由化以降の最高値5653万キロワットを記録。供給力に対する電気の使用率は92%に達した。火力発電会社の東京電力フュエル&パワーによると、緊急避難的手段として、発電所の最大出力を超える「オーバーパワー」と呼ばれる運用を一部の発電所で実施。全国的に電力供給が切迫しており、電力大手各社は火力発電所をフル稼働させるなどしている。