ボブ・ディラン、強風に吹かれてフジロック降臨 ノーベル賞受賞後初来日
2016年のノーベル文学賞を受賞した米シンガー・ソングライターのボブ・ディラン(77)が29日、新潟・苗場スキー場で開催された国内最大級のロックフェス「FUJI ROCK FESTIVAL’18」の最終日に出演し、2年3カ月ぶり、ノーベル賞受賞後は初となる日本公演を行った。
台風はそれたものの、前夜からの強風に吹かれて、ディランは最大のステージ「グリーンステージ」のヘッドライナーとして定刻3分前、5人のバンドと共にステージに登場。パンツに飾りの付いたダークグレーのスーツに、黒地に白いパイピング入りシャツといういでたちで、1978年の初来日から40周年、10回目の来日、日本のフェス初出演、そして日本で101回目となるメモリアルなステージを踏んだ。
セットリストはスタンダードのカバーが多かった前回2016年の日本公演から一新。「悲しきベイブ」、「追憶のハイウェイ61」や「運命のひとひねり」など往年の名曲が披露され、珍しい「傑作をかく時」も披露。「くよくよするなよ」では大歓声がわき起こった。
ディランは強風に吹かれて髪がめくれ上がり、珍しく額をまる見えにしながらの熱演。前回の日本公演では照明が当たらず表情がうかがえなかったが、この日は暖色の照明が当たって、時折、浮かべる笑みも見てとれた。ハーモニカソロも「メイク・ユー・フィール・ラヴ」と「やせっぽちのバラッド」で2回ずつ、4回にわたって披露され、観客を喜ばせた。
終盤は「廃墟の街」、「ラヴ・シック」、「やせっぽちのバラッド」と代表作をたたみかけ、最後はこの日一番の歓声の中、「風に吹かれて」。歌い終えたディランはバンドメンバーと横一列に並び、次の瞬間、照明が落ちて全16曲、約90分間のステージは終わった。
ディランは27日に韓国公演を行っており、フジロックの後は台湾、香港、豪州、ニュージーランドを8月末まで回る。