津川雅彦さん愛妻の元へ 一人娘の真由子に看取られ…雪路さん亡くし100日
卓越した演技力で日本演劇界に君臨し、「マキノ雅彦」の名前で映画監督としても活躍した津川雅彦(つがわ・まさひこ=本名・加藤雅彦)さんが今月4日、心不全のため死去した。78歳。
4月27日に妻で女優の朝丘雪路さん(享年82)を亡くしてからちょうど100日で、最愛の妻が待つ天国に旅立った。葬儀は近親者で済ませており、後日、朝丘さんと合同でのお別れの会を行う予定。黒柳徹子(84)、宮本信子(73)ら多くの共演者が、故人をしのんだ。
心残りを絶ってからちょうど100日、希代の名優は安らかにこの世を去った。関係者によると、津川さんは4日、都内の病院で、一人娘の女優・真由子(44)に看取(みと)られ、息を引き取った。
津川さんは5月20日、朝丘さんの死を明らかにしたのを受け、会見を実施。アルツハイマー型認知症を発症した朝丘さんを約3年間、自宅で介護してきたことを告白した。肺炎を患い、車いすに乗り鼻に酸素チューブを通した姿で登場し、「僕が先に死んで彼女を残すよりはいい結果になりましたね…」と、朝丘さんを無事に送ったことへの達成感を口に。それから3カ月あまりで、自らの命の炎も燃え尽きた。
波瀾万丈の人生を送った津川さんにとって、常に支えとなっていたのが家族の存在だった。73年、大恋愛の末に、一般男性との離婚直後だった朝丘さんと結婚。78年には玩具会社「グランパパ」を設立した。だが08年、玩具事業で6億円を超える負債を抱え、朝丘さん名義の自宅を売却。2人の最大の思い出として「彼女の自宅を売らなきゃいけなくなったこと」と挙げるなど、一生の悔恨として残っていた。
また、結婚翌年の74年には、当時生後5カ月だった長女・真由子が誘拐される事件が発生。41時間後、無事に発見されたが、津川は「日本一の役者になる前に、世界一のパパになろうと思います」とし、夜遊びやギャンブルから完全に足を洗って家族との時間を大切にし続けた。
最愛の妻の最期を看取った津川さんは、最愛の娘に看取られ、この世を去った。父と母を3カ月あまりの間に相次いで失った真由子は、ショックが大きく、コメントできる状態ではないという。