アルフィー高見沢 芥川賞に意欲満々…初小説「音叉」が3万2千部のヒット
ロックバンド・THE ALFEEの高見沢俊彦(64)が18日、東京都千代田区の文藝春秋社で「高見澤俊彦」名義で7月に出版した初の小説「音叉」の発売記念サイン会を行った。
発売1週間で重版がかかり、現在3万2000部を売り上げるヒット作に、高見沢は「本当にうれしいです。それしかありません」と笑顔。それでも、出版された作品を改めて読んだ際の感想を「曲と一緒で、万全を期してやっても、ちょっとした不満は残りますよね」と吐露した。
その上で、「それが次に解消できれば。一作書けたんですから次もやりたい」と次回作への強い意欲を表明。「音楽家と小説家と、今流行の大谷選手のように二刀流でいきたいなと思います」とノリノリで宣言した。
次回作については「ひとつ腰を据えて、曲で言えばラブソング、っていう世界が面白いかな」と構想を説明。さらに「『音叉』の勢いがまだ残ってますので、消さないようにちょっとずつ書いています」と、すでに執筆に入っていることも明かした。
幼少時から読書が趣味だったといい、「密かに音楽家よりも小説家に憧れていた時代もあった」という。45年のキャリアを誇る作詞との違いを「歌詞の場合は、多少言葉が稚拙であっても、メロディーが補ってくれる。小説の場合はそういうものがないですかディテールや性格、キャラクターも含め、非常に細かく表現していかなければいけなかったところが、しびれるほど面白かったですね」と熱っぽく語った。
メンバーの坂崎幸之助(64)、桜井賢(63)にも発売日に渡したたというが、いまだに感想は受け取っていないという。それでも「2人とも、僕が小説を書いたことにあまり驚かないんですよ。いつか書くと思ってたらしい。『必ずギターケースに単行本が入ってたじゃん』って言われましたね」と、結成40年を超える絆を感じさせた。
「音楽は45年もやってますと、楽しいよりもきつくなる部分があるんですけど、小説の場合はまだ楽しい部分がある。まだプロになっていないからかな」と自嘲気味に自己分析した高見沢。「音楽の脳と執筆の脳は、違う気がするんですよ」と持論も展開した。
64歳での処女作に「還暦過ぎてのデビューですから、遅いかなとも思いますが、夢の形に年齢は関係ないのかなと」としみじみ。芸能人の小説といえば、15年に芥川賞を受賞したピース・又吉直樹(38)の「火花」が有名だが、高見沢も「音楽の世界では賞にはあまり縁が無かったけど、本の世界では頑張りたいですね」と意欲を見せていた。