中村芝翫、兄・福助の5年ぶり復帰に涙止まらず「忘れられない日」
歌舞伎俳優の中村芝翫(53)が2日、東京・新橋演舞場で、主演舞台「オセロー」(26日まで)の初日公演を行った。終演後には会見を行い、同時間帯に歌舞伎座で行われた「秀山祭九月大歌舞伎」で、4年10カ月ぶりの舞台出演を果たした兄・中村福助(57)の復帰を喜んだ。
会見で、芝翫は自ら「うれしいことは、歌舞伎座でうちの兄貴が復帰しましたんでね」と言及。「今日はそっちも気になりながら、一幕目を終えてニュースで見たら、兄貴(の舞台)が割れんばかりの拍手だったと知って、また涙が止まんなくなっちゃって…。この9月2日は、ちょっと忘れられない日だなという感じですね」としみじみ話した。
復帰に際しては「(福助とは)あえて、あまりしゃべらないようにしてます。大変だよ、大変だよって重圧かけるみたいになるから」という芝翫。「本当にまだ万全じゃないですけど、復帰できたってことは本当にありがたいことですよね」と笑顔で話し、「あんまり言うと、また泣いちゃう…」と目を赤くした。
福助は13年11月13日、東京・歌舞伎座での「吉例顔見世大歌舞伎」を高血圧による体調不良で休演し、同19日に降板が決定。12月6日には「脳内出血による筋力低下」との診断を受けたことを発表し、休養していた。
この日は「秀山祭九月大歌舞伎」の昼の部「金閣寺」に慶寿院尼役で出演。物語の最終盤、福助が姿を見せると、客席からは万雷の拍手とともに「待ってました!」「成駒屋!」と声援がわき起こった。出演時間は4分で、セリフも3言にとどまったが、久々に見る福助の姿に、感極まって涙を流す観客も。出演を終えると、客席からは「日本一!」との声も飛んだ。