仁鶴 1年3カ月ぶり姿、復帰へ意欲 亡き師匠の記念落語会、飛び入り検討も
昨秋から休養を続けている落語家の笑福亭仁鶴(81)が5日、大阪市内で行われた六代目笑福亭松鶴さんの三十三回忌法要に出席した。
報道陣の前に姿を見せたのは、17年6月に行われた三代目林家染丸さんの追善落語会以来、1年3カ月ぶり。昨秋以降、「体調が本調子ではない」などとしてテレビ番組を休演し、高座にも上がっていなかった。この日は取材にも応じ、「頑張ってやりたい」と高座復帰にも意欲を見せるなど、久々の公の場で元気な姿を見せた。
午前10時過ぎに寺院に到着した仁鶴は、一門関係者に出迎えられる中、「おはよう」とあいさつし、しっかりとした足取りで会場に入った。法要は40分ほど行われ、松鶴さんの墓前で合掌するなどしたという。
法要を終えると帰り際に、デイリースポーツなどの取材に応じ、「落語全体のことをいつも考えていた」と松鶴さんについて回顧した。
松鶴さんは人間国宝の故桂米朝さんらと並んで“上方落語四天王”と称されるほど上方落語の復興に尽力した師匠。仁鶴はしっかりした口調で「おかげさまで門弟の数も増えまして、(上方落語)協会としては全体で250人以上になりました」と墓前で報告したことを明かした。この日は松鶴一門の関係者ら40人弱が参列しており、「喜んでおられると思います」と師匠に思いをはせた。
仁鶴は昨年6月に妻の岡本隆子さんを亡くす前後から体調を崩しており、その後一時復帰したものの、同8月には演芸場「なんばグランド花月」の出番を休演。テレビ番組の収録も同8月下旬から欠席を続けているが、仁鶴は高座やテレビ復帰について「それは、頑張ってやりたい」と意欲を見せた。
現在、大阪市の天満天神繁昌亭などでは松鶴さんの生誕100年を記念した「松鶴生誕百年祭ウィーク」として記念落語会が行われており、7日から9日にかけては松鶴さんの直系弟子らでの落語会も実施する。一門関係者は仁鶴について「元気です」と話しており、複数の関係者によると仁鶴の飛び入り参加も検討しているという。