「男はつらいよ」22年ぶり帰ってくる 山田洋次監督「主役は渥美清さん」!?

 国民的映画「男はつらいよ」シリーズに22年ぶりの新作が登場する。松竹が6日、50周年となる2019年に、「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別編」(97年公開)以来22年ぶりとなる新作を公開すると発表し、都内で山田洋次監督(86)らが会見した。主演は96年に死去した俳優・渥美清さん(享年68)で、過去の映像と新たに撮影した映像とを組み合わせた形になるという。

 日本人の心に生き続けてきた寅さんが、20年以上の時を経て帰ってくる。全作品の脚本も担当した山田監督は、「日本人が一番元気で、一番幸せな時代に寅さんが生まれた。今、もう一回寅さんを見て、思い出してみて、豊かな時代が生んだ寅さんに巡り会いつつ、次の時代へのギアチェンジをする。そんな作品ができたらいい」と新作への思いを口にした。

 寅さんの妹・さくら役で全作に出演した女優・倍賞千恵子(77)は、「50年の間、寅さんがみんなの心の中に生きていて、その心が山田さんを動かして、映画ができるようになったんじゃないかな」と述懐。「お兄ちゃんがどっかで見てたら、『おい、さくら、お前まだまだ山田さんと映画作らなきゃダメだよ』と言われてる気がします」と話した。

 「男はつらいよ」は、69年に第1作が公開された。主人公の車寅次郎を演じた俳優・渥美清さんが96年に死去したため、95年の第48作が事実上の最終作。97年には、俳優・吉岡秀隆(48)演じる寅さんの甥・満男による回想という形の「特別編」を公開した。

 山田監督は、新作も満男の人生を基準とし、「彼が何を思い、何を考え、何を悩んでいるのかといったあたりがドラマの中心になる」と説明。その上で「主役は渥美清さん」と強調し、「寅さんに出演しているすべての俳優さんに会えるんじゃないか」と構想を明かした。

 関係者によると、撮影は10月中旬から11月いっぱい、撮影所および都内で行われる。過去の映像は4Kデジタル修復が施され、違和感なく最新の映像と組み合わされるという。

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