桜庭ななみ デビュー10周年 北京語自在に操る国際派女優に成長
女優の桜庭ななみ(25)が、デビュー10周年を迎えた。「鹿児島にとんでもない美少女がいる!!」とスカウトされた中学3年生は、北京語をマスターした国際派に成長。ハリウッドでも知られる中国の巨匠ジョン・ウー監督(72)が手がけた映画「マンハント」(今年2月公開)に抜てきされたことで、アジア各国からのオファーが殺到しているという。日本のファンを魅了してきた透明感と繊細な演技に語学をプラスし、国境を越えた“アジアのななみ”になりつつある。
放送中のNHK大河ドラマ「西郷どん」で主人公・西郷隆盛の妹・琴を演じている桜庭は、中国語のレッスンが日常だ。
2017年から中国人の現場マネジャーが担当に就き、普段から北京語でやり取り。加えて、週1回は本格的な語学レッスンを受ける本気度で、「中国語の響きがすごい好きで、こういう言葉のリズムでお芝居できたらいいなって、すごく頑張れます」とアジア進出をにらむ。
2日に台湾で開催された伝統ある「第58回アジア太平洋映画祭」の授賞式ではプレゼンターの大役を務め、流ちょうな中国語を披露。新人刑事を好演した映画「マンハント」のジョン・ウー監督は「こんなに中国語を話せる日本の女優は初めてだ!!」とうなり、同作の北京や台湾での会見やインタビューも通訳なしで対応した。
学生時代は英語が苦手で「語学は向いてないのかなと思っていた」というが、「好きなことはとことんやるタイプ。中国のちょっと切なさのある青春映画が大好きです」と、やる気が語学力を覚醒させた。きっかけは、10月に日本版リメークも公開される2013年の台湾映画「あの頃、君を追いかけた」。世界観に感銘を受け、14年秋から中国語の勉強を開始した。
15年には台湾と日本を往復しながら計4カ月間、ホームステイもし「最初は『ニーハオ』しか分からないくらいだった」ところから、16年に台湾ドラマデビューするまで自身を高めた。
マンハント効果もあり、現在は中華圏からのオファーが殺到中。台湾や中国で一緒に仕事をした現地の役者やスタッフによる“ななみ応援隊”からも熱烈なラブコールが届いており、「いい作品に出会えたら、アジアに行って、日本の作品とか文化を伝えられるようになりたいです」と架け橋になりつつある。
目標を聞くと、流ちょうな発音の北京語で「人を感動させる演技ができる女優になりたいです」と目を輝かせた。韓国語も日常会話は問題のない“トリリンガル女優”。どの言語で芝居をしようと「一番は気持ち。感情をどう表現するかが大事だと思う」と異色の女優道を歩んでいく。