加藤登紀子 乳がんだった 30年近い沈黙破り告白 91年に手術、現在は完治

 歌手の加藤登紀子(74)が1990年に乳がんを患っていたことが20日、分かった。24日放送のラジオ関西「加藤登紀子の地球に乾杯!」(月曜、後7・00)で明かしている。

 加藤はデイリースポーツの取材に応じ、91年に左乳房の一部を摘出したことを告白。ファンや関係者に「気を遣わせたくない」というプロ根性で30年近く内密にしてきたが、「病気を話し出せる雰囲気を作りたい」と口を開いた。現在は完治し、体調に問題はない。

 「昔、乳がんだったのよ」。パワフルな現役シンガーの突然の告白だった。

 病が発覚したのは28年前の90年11月。米・ニューヨーク公演の際に、ふと左胸のしこりに気付いた。「まさか…」と思い、帰国後に病院へ直行。ピンポン球くらいの腫瘍が発見され、「悪性の可能性が非常に高いので、すぐに手術を」と診断された。

 それまで病気一つしてこなかった加藤にとっては人生初の体験。「不思議と恐怖はなかった」というが、「周りの方に気を遣わせたくない、普通に仕事したい!という思いでした」。そのため、病気は身内と事務所関係者のみ知らされ、翌年1月9日、極秘裏に手術を受けた。

 手術では、腫瘍とともに左胸の一部を摘出。術後2日目からの厳しいリハビリにも耐え、退院翌日の1月17日に、ステージへの復帰を果たした。歌声は変わらなかったためファンには気付かれず「身内からは見事だったと褒められた。私も本当によくやったと思います…。若かったのかな」と振り返った。

 大病を乗り越えた加藤は「あの時、暗くならずに諦めないでよかった」と語る。日本人女性11人に1人が乳がんを患う時代。10月1日のピンクリボンデーを前に、「主婦の方、会社員の方たち。忙しくなるとどうしても自分のケアができなくなる。定期的な検査で未然に防いで、ずっと笑顔のあなたでいてほしい」と全国の女性に呼びかけた。

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