吉永小百合「私の大切な人」 樹木希林さん思い涙 “親友”との別れに寂しげ
女優の吉永小百合(73)が21日、長野・上田市交流文化芸術センターでギタリスト・村治佳織(40)と「チャリティ朗読コンサート2018-『無言館』よ、いつまでも-」を行い、15日に死去した女優・樹木希林さん(享年75)を思い涙ぐんだ。
この日のテーマだった上田市内にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」を6月に訪れた吉永は「それより前に無言館にいらしたのが私の大切な人、樹木希林さんです」と言うと目を潤ませ、言葉に詰まった。
ドラマ「夢千代日記」で共演するなど親交の深かった樹木さんは、吉永も依頼されたが、撮影のため断念した16年の無言館での成人式に来訪。自筆の手紙を約30人の若者に手渡したといい、吉永は「亡くなってから知った」と明かした。
「(樹木さんは)私、そういう(平和の)こととか関係ないというような感じだけど(違う)。映画『あん』のときもハンセン病の患者さんを思って、たくさん上映会をやって。お体の状態がよくないときでしたから、すごいなと思っていました」と称えた。
死のショックは癒えていないが、「その辺で見てるかも知れないと思うので、私もしっかりやろうと思います」と話すと、情感たっぷりに朗読を続けた。
そして、かつて年間10万人だった入場者数が3・8万人に減少したことを嘆く窪島誠一郎館長(76)に対し、「希林さんのためにも続けましょう!」と呼びかけた。
終演後、「樹木さんは親友でいいですか」と聞かれた吉永は、「いいですよ。そう言っても『違うわよ』と言われるかも知れないけど」と憎まれ口をたたく故人を思い浮かべ、寂しそうに返した。