もんたよしのり 総合プロデュース「俺らだけのヒットパレード」への思い(前)

 「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザーズ)の特大ヒットで知られる歌手のもんたよしのり(67)が総合プロデュースを手がけるライブイベント「俺らだけのヒットパレード2018」が10月26日、神戸国際会館こくさいホールで開催される。1991年の「俺らだけのヒットパレード」がルーツとなるコンサートについてもんたが語るインタビュー、その前編では、見どころ、聴きどころを語る。

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 「ダンシング・オールナイト」後も「DESIRE」、大橋純子との「夏女ソニア」などのヒットを放ち、故西城秀樹さんに代名詞となった「ギャランドゥ」を提供するなど80年代前半を疾走したもんただが、その後は「バックパッカーで旅ばかり」していた。

 バングラデシュで「説明できん、とんでもない世界、日常で想像できない世界」という難民の貧困を目の当たりにしたもんたは帰国し、チャリティーコンサートを企画。西城さんや故桑名正博さんら仲間が趣旨に賛同して規模が拡大し、大阪府服部緑地野外音楽堂で開催された第1回は大成功に終わる。

 コンサートは宮崎や奈良でも開催され、阪神・淡路大震災が起きた95年まで続いた。最後の年には被災地・神戸のメリケンパークでも開催され、約1万人が集まった。

 復活したのは21年後の16年で、神戸の地下街「さんちか」の50周年イベントとして行われた。もんたが新生「俺らだけ」の「大きなキー」と言うのが、今回もハウスバンドを務めるA Hundred Birds Orchestra(以下AHBO)だ。

 AHBOはDJ YOKUがプロデュースして97年に結成された、30人以上で編成されるフルバンド。クラブミュージックの感覚を備えた大スケールのダンスバンドで、欧州のオーケストラで活躍するメンバーもいる。もんたは初めて見た時に「関西にこんなに力のあるミュージシャンがおったんや」と、衝撃を受けたという。

 「R&Bのものすごい深いところをDJが中心になって作ってる。普通のミュージシャンの発想じゃでけへんグルーヴ。存在そのものが最初は信じられなかった。関西の音楽シーンの歴史があるとしたら、大きな意味合いを持つグループ」と高く評価するAHBOと「俺の好きなシンガーがドッキングしたら、ものすごい大きな面白いイベントが作れるだろう」ともんたが考えるのは自然な流れ。前回の「俺らだけのヒットパレード」では上田正樹、大橋純子、夏川りみが出演し、イベントを成功させた。

 今回、もんたが声をかけたのは「スローなブギにしてくれ」の南佳孝、「会いたい」の沢田知可子、日本を代表するギタリストの押尾コータロー、山下洋輔と組んだNHK大河ドラマ「西郷どん」の楽曲「西郷どん紀行」が話題の城南海だ。

 「Hundred Birdsと組んだら、力のあるシンガーがちゃんと輝くと音楽界に見せないと。音楽を浴びて、心が開いていくクオリティーを出せたら、色んなことが勝手に動き出すし、成立するし、化学反応してく思うてるんで」と、歌手、バンド、観客の間に生まれるマジックに期待している。(後編に続く)

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