ビートルズ 名作「ホワイト・アルバム」50周年記念盤を11・9リリース
英国出身の世界的なロックバンド「ザ・ビートルズ」が、1968年11月に発表した9枚目のアルバム「ザ・ビートルズ」(通称ホワイト・アルバム)の50周年記念エディションを11月9日にリリースすることが24日夜、発表された。
「ザ・ビートルズ」は、リチャード・ハミルトンによる、バンド名とカタログナンバー、通し番号以外は真っ白なデザインのジャケットから「ホワイト・アルバム」と呼ばれるようになった2枚組アルバム。
イントロにジェット機の爆音を使ったポール・マッカートニーの「バック・イン・ザ・USSR」から始まり、ジョン・レノンの「ディア・プルーデンス」が続き、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」や、エリック・クラプトンが参加したジョージ・ハリスンの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」、初のリンゴ・スター作品となる「ドント・パス・ミー・バイ」、ポールが今もステージで披露する「ヘルター・スケルター」などが収録され、全米アルバムチャートで9週連続、全英で8週連続1位を獲得した。
ローリング・ストーン誌のヤン・ウェナーは発売当時、「彼らがリリースしたアルバムの中で最高の1作だ。より優れたアルバムを作ることができるのは、ザ・ビートルズだけだ」と絶賛。アルバムは後にグラミー賞の殿堂入りを果たした。
50周年記念のスーパー・デラックス・エディションは、CD6枚とブルーレイ(音源)、初出を含む写真資料と文字資料を使った164ページのハードカバーのブックレット、いずれも復刻版となる4枚のカラー写真と大判のポスターが収納される。他にCD3枚組、LP4枚組、LP2枚組の各形態でもリリースされる。
スーパー・デラックス・エディションでは、当時のビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンの息子で現在、ビートルズ関連作品のプロデュースを担当しているジャイルズ・マーティンとミックス・エンジニアのサム・オケルによって新たに制作されたステレオ・ミックスと5.1サラウンド・ミックス、68年5月に英サリー州イーシャーにあるジョージ・ハリスン宅にジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ、リンゴ・スターが集まって録音された27曲のアコースティック・デモ(通称イーシャー・デモ)、セッション・テープから起こされた大半が未発表の50テイクが収録される。
リミックスはジャイルズとオケルが、アビイ・ロード・スタジオのトップ級のエンジニアと音源修復のスペシャリストとの共同作業を経て完成。「ホワイト・アルバム」のリミックス・バージョンがリリースされるのも、デモ音源やセッション音源を追加した拡張盤としてリリースされるのも、今回が初めてのことになる。
ジャイルズは書き下ろしの序文で「僕たちが心掛けたのは、ザ・ビートルズがスタジオで奏でていたそのままのサウンドを届けることだ。僕たちはガラスのタマネギ(3曲目の『グラス・オニオン』とかけたシャレ)の皮を1枚ずつはがしていった。そうすることで、アルバムに親しんできた人たちにも、今回初めて聴く人にも、きっと作品に没頭してもらえると思った。この、歴史上例のないほど刺激的で、多様性に富んだアルバムにね」と、リミックスにあたっての姿勢を明かしている。
ポールは今作に「僕たちは陽を浴びた天上の世界で演奏するためにペパー軍曹のバンドを脱退した。そして地図も持たず、新たな方向を目指し始めたんだ」という、書き下ろしの序文を寄せている。