安藤サクラ 朝ドラ「まんぷく」ヒロイン 義母の言葉に背中押された
今月1日にスタートしたNHK連続テレビ小説「まんぷく」(総合、月~土曜、前8・00)で、ヒロイン・今井福子を演じる女優の安藤サクラ(32)が、このほどデイリースポーツなどのインタビューに応じた。念願の朝ドラヒロインというオファーを受けながら、一時は断ろうとしたという安藤。その葛藤と、背中を押した存在、そして母としての思いも含め、現在の心境を赤裸々に語った。
32歳の若さながら、カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を獲得した映画「万引き家族」など、さまざまな話題作に出演してきた。そんな安藤にとっても、NHK連続テレビ小説は「『映画』とか『ドラマ』みたいな、1つのジャンルだと思う」と、特別な存在だった。
これまで出演したさまざまな作品のロケで地方を訪れることも多かっただけに、「日本の隅々まで届けられるから、映画の撮影なんかで山奥とかに行った時にお世話になった方々に恩返しができるかなって思っています」とニッコリ。「台本もめちゃくちゃ面白いし、とにかく現場が楽しいです」と声を弾ませた。
だが、ヒロインを引き受けるには、大きな葛藤があった。昨年6月、夫の俳優・柄本佑(31)との間に第1子の長女が誕生した。そして朝ドラのオファーは同10月。「とにかく、母親は子育てに専念しなきゃいけないと思っていましたし、乳飲み子の時は家にいなきゃいけないという考えしかなかったので、お話を聞いたときはすごく悔しかった。このタイミングで、できるわけがないと」。憧れて、手が届いたからこそ、無念さにさいなまれた。
「絶対にやりたかった、悔しい。でも、『この子がいなかったらやってた』とか思うのは、絶対に嫌だった。どうやったらハッピーに持って行けるかすごく悩んだけど、どうしてもできなくて…」と苦しみが続く中、背中を押したのは家族だった。とりわけ、義母の女優・角替和枝(63)からは「これやらないんだったら、事務所も仕事もやめちゃいな」と言われたという。安藤は「子どもを産んで、なおかつ女優さんとしてやってきた義母に言われて、本当に覚悟を決めました」と、決断に至った思いを振り返った。
撮影拠点であるNHK大阪放送局にキッズルームが作られたこともあり、長女を身近に置きながら撮影ができる環境は整った。さらに“母としての強さ”も実感している。
「母ちゃんになったら、パワーがみなぎるようになりまして、すごく体力があるんです。日々の生活も含め、すべてがエネルギーに満ちあふれているような感覚に、自分自身が驚いてます」
母は強し、を体現しながら運命には感謝。「この福子という役、朝ドラヒロインという役割も、今だからできているんだなと感じています」と、にこやかに語った。