藤山直美 乳がんから舞台復帰 1年11カ月ぶり…熱演3時間
乳がんのため休業していた女優・藤山直美(59)の復帰作「おもろい女」が8日、東京・シアタークリエで初日を迎え、昭和初期に活躍した天才漫才師ミス・ワカナを演じた藤山は約3時間の舞台を完走した。
16年11月以来となる復帰公演を終えた藤山は「疲れました、やっぱり。(相方役の渡辺)いっけいさんに助けられました」と言いながら安どの表情。その後も「病気のことがあるけど、体力が落ちてますし、息切れする。寄る年波でウソはつけない」「反応が遅くなってますね。体の中の五感が」などと景気のいい言葉は発しなかったが、踊ったり走ったりの熱演で不安は感じさせなかった。3年ぶりの再演でも共演する渡辺も「衰えてるとは思わない。(終演後の)いま見ても大丈夫」と太鼓判を押した。
1年11カ月ぶりの復帰については「私自身は思ってるより早く(舞台に)上がった。もう少しかかっても良かったかも。周りに迷惑をかけるから。(逆に)もっと早く上がった方が良かったのかは、今は答えを出せません」と慎重にコメント。演出面でも配慮されているといい、「続けざまだと息切れする。合間に汗をふいたり、水をふくんだりする時間を作っていただいて助かってる」と感謝した。
現在も定期検査を受け、医師と連絡を取りながら薬を服用して体調を整えている藤山は、9月15日に大ファンの矢沢永吉(69)の東京ドーム公演に行き英気を養った。また、かわいがっている阪神の西岡剛内野手(34)が戦力外通告を受けたことについて「球団の社長やないから(分からない)。元気でやってくれたらいい。頑張るでしょう」とコメントした。
この日のカーテンコールで送られた超満員600人の観客からの拍手を「頑張れよと言うてもらってる」と活力にし、9日には昼夜2公演に挑む。「(今後は)来ていただいたお客さんに楽しんでいただけるよう、出演者で同じ方向を向いてやりたい」。帰って来た名女優が、12月2日・新潟の大千秋楽まで元気に駆け抜ける。