三遊亭円楽 肺がん手術終え、毒舌交え笑顔で復帰「歌丸師匠が見つけてくれた」
9月28日に初期の肺がんであることを公表していた落語家の三遊亭円楽(68)が12日、横浜市の「横浜にぎわい座」で、仕事復帰となる高座出演前に報道陣の取材に対応。5日に手術を受け、11日に退院したことを報告し、「手術は大成功だという話でした」と明るい笑顔で語った。
この日が仕事復帰となった円楽は自ら自家用車を運転して会場入り。「無事に手術が終わって、昨日退院して。この後、病理検査の結果が出て、月末に先生と今後どうするかという話をする」と現状を説明した。手術は5日に行い、約3時間で終了。「とりあえず、手術は大成功だという話でした」といつもと変わらぬ明るい笑顔を見せた。
毎年受診している人間ドックで、十二指腸に良性の腺腫が見つかったため、検査入院した際に、肺がんが発見されたことも説明。「俺は、歌丸師匠に呼ばれたと思った。がんが分かった時にね。『ふざけんな、このじじい!』って、笑点の時みたいに、マジで言ったよ。その後ろにうちの師匠(五代目三遊亭円楽)も見えたよ。『俺も肺がんだったんだ』ってね」と、冗談めかしながら落語界の父と慕った2人の恩人の名を挙げた。
その上で「戻ってこられたってことは、歌丸師匠が呼んだではなくて、(がんを)見つけてくれたんじゃないかと思う。『お前はまだ、こっち来ちゃいけない』と。(発見が)来年だったら、向こう(あの世)行ってんだから。進行が早いから」としみじみ。「歌丸師匠が『楽さん、帰って落語やってくれよ』と言ってくれたんじゃないかな」と感に堪えない様子で話した。
円楽は今年7月に故・桂歌丸さんのお別れ会を行った日にも、同じ「横浜にぎわい座」で高座を務めた。「葬式の時もここ、退院後の最初もここ。あのおじいさんふざけてんね…。死んでまで、俺をからかってやんの」と、毒舌の裏に深い感謝をしのばせて笑った。
併発していた肺気腫の影響もあり、やや呼吸が浅くなったという。「ブレスが変わってくるから、違うところで息継ぎしなきゃいけない」としつつ、「人の個性ってのは、口調なんですよ。だから、自分の芸がどんな風に変わっていくか、少し楽しみでもある」と前向きに語った。
今後については「まだまだやりたいことがある。あと2つ3つやったらいいや」とニッコリ。「とにかく頑張ってやりますんで。病気ですけど根治目指して、ちょっと長旅になるかなと思いますけど、急がずゆっくり、あと12、3年やらしてくれる状況が出来たと思いますので、悔いのないように落語界への恩返しをしたい」とファンにメッセージを送った。