オセロ最年少世界王者 元最年少王者の機長から祝福 帰国便でサプライズ

 帰国後に写真におさまる福地啓介くん(左から2人目)と谷田邦彦機長(右から2人目)=ANA提供
 対局する谷田邦彦機長(左)と福地啓介君(日本オセロ連盟提供)
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 9~12日にチェコで開かれた第42回世界オセロ選手権で、歴代最年少の優勝を果たした神奈川県在住の小学5年、福地啓介君(11)が、全日空機で凱旋帰国する際、機長がアナウンスで祝福。自身がそれまでの最年少優勝者と明かすと、機内は驚きに包まれた。谷田邦彦機長(51)は1982年に15歳で世界王者となっており、その後、パイロットとなっていた。全日空が福地君らが搭乗する便に調整し、粋なサプライズを演出した。

 11歳の最年少オセロ世界王者が凱旋帰国のために乗り込んだドイツのデュッセルドルフ発成田行きのボーイング787。離陸前の放送で機長が切り出した。

 「オセロの世界チャンピオンに、この飛行機をご利用いただいています」

 サプライズのあいさつに、乗客からは笑みが漏れた。しかし本当のサプライズはここから。

 「実を申しますと、以前の記録は私自身が1982年に打ち立てた15歳という記録。今回、大幅な更新でございます。大変な快挙でございます」

 谷田機長は、82年に15歳で史上最年少の世界王者になり、記録が36年間破られなかったオセロ界の生ける伝説だった。パイロットとして全日空に入社後も競技を続け、福地君とはこれまで4回対局しており、2勝2敗という。

 同便を谷田機長が担当することは全日空の機転で実現したが、“機上祝福”は機長の“アドリブ”で行われ、福地君も知らされていなかった。機内では喝采の拍手が起き、小さな王者は隣席の母と顔を見合わせ、はにかんだ笑顔を見せたという。

 全日空広報室はツイッターで「乗る前に結構やり取りしていて、気にしてくれていると思っていたら。。」と機長のちゃめっ気を紹介した。

 到着後、2人は対面。機長は「おめでとう。記録を破ったことは気にしないで」と直接祝福したという。

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