Vtuber界の歌姫・富士葵を直撃!「目標は紅白、全国ツアー、武道館」
バーチャルYouTuber(以下、Vtuber)の世界で最も歌がうまいと言われる女子高生・富士葵(永遠の17歳)がメジャーデビューを発表し、話題を呼んでいる。動画サイト「YouTube」にカバーソングの“歌うま動画”を投稿している美少女キャラクターで、実在の人物の動き、声を画面上で再現。すでにテレビ出演も果たしており、現実と虚構の境を曖昧にする新時代のアーティストとして注目される。音楽業界の最前線に迫った。
YouTuberを「動画配信を行う生身の人間」と設定するなら、Vtuberはその3Dキャラクター版を指す。実在の人物が、独自の技術で動きや声をキャラクターにリンクさせ、動画を編集して“パフォーマンス”する。富士葵が活動を開始した2017年12月には15~20しかいなかったキャラクターが、現在は約1年で5000を超えるほどに増えているという。
動画はYouTuberと同様にゲーム実況や「○○してみた」などが定番だが、富士は主に有名曲のカバーを配信。富士が魔界から呼び出した友達(という設定の)キクノジョーによると「歌詞の意味を1文字ずつ解釈して『こうだからこう歌おう』と自己解釈を混ぜています。1曲で丸一日、考えたこともある」と学問的に曲を分析しているという。
高い読解力を歌声に乗せ、総再生回数は1600万回超。“Vtuber界の歌姫”と評され、11月7日にCD「はじまりの音」でメジャーデビューすることが決定した。
ネット環境さえあればどこにでも出現できるため、スマホ1つで世界中を“ライブ会場”にすることが可能。すでに野外ライブを行い、プロ野球実況に生出演するなど、バーチャルとリアルの融合に成功している。2020年の東京五輪に向けて高速通信「5G」の商用化が進んでいることも追い風で、実在のアーティストと遜色のない次世代の双方向性ライブが目前だ。
都内で取材に応じた富士は「目標は紅白や全国ツアー。いつか日本武道館に立ちたいです。がむしゃらにやっていきたいと思います」とアニメ声に力を込めた。憧れの歌手は布施明(70)だという。