「清水富美加」名義の最後の映画公開 スポンサー離脱も2年越し悲願
女優の千眼美子(23)が、過去の芸名「清水富美加」名義で出演した最後の映画「ごっこ」が20日、公開初日を迎え、主演のタレント・千原ジュニア(44)、主題歌を担当したロックバンド「indigo la End」の川谷絵音(29)らが都内で舞台あいさつを行った。
同作は2015年12月から16年1月にかけて撮影されたが、16年2月に清水が当時の所属事務所「レプロエンタテインメント」を退社し、宗教団体「幸福の科学」に出家することを電撃発表。当時はまだ今作については発表されていなかったが、ジュニアはテレビ番組で“お蔵入り”の危機にあることを明かしていた。
同作のゼネラルプロデューサーを務めた芳賀正光氏はこの日、デイリースポーツの取材に対応し、公開に至った経緯を説明した。
芳賀氏によると、千眼の出家騒動などの事情により、大手のスポンサーが撤退を決定。費用が大幅に足りなくなった。そのため、16年7月、千眼が清水富美加として主演した映画「暗黒女子」を手掛けた芳賀氏に、公開実現のための協力依頼が舞い込んだ。
芳賀氏は作品を見た上で、子役の平尾菜々花(12)の演技に感銘を受け、依頼を受諾。スポンサー集めなどに奔走。数千万円を用立て、約3年越しでの公開にこぎ着けた。キャストの一覧には「清水富美加」の名が記されているが、芳賀氏によると、過去と現在の両所属事務所と話し合いをした結果、当時は清水富美加として撮影しており、出演料も支払っていたため、清水名義で掲載することを決めたという。
芳賀氏は「ほぼ資金が0の状態から、ここまで来た」と感慨深げ。千眼については「僕は(公開延期は)彼女のせいだとは思っていない」としつつ、「悔しいのは、今日も舞台あいさつに立って欲しくて、何度も事務所と交渉したんですが、無理だと言われた。みんなが予算がない中で戦ってきた、その船の中に一緒に入って欲しかったんですよ。多少なりとも、足を引っ張った時はあったわけですから」と語った。