解放の安田さん トルコで「今は安全です」 体調問題なし

 内戦下のシリアで2015年に行方不明になり、解放されトルコに出国したジャーナリスト安田純平さん(44)とみられる男性について、日本政府は24日、本人と確認した。河野太郎外相が外務省で記者団に明らかにした。安田さんはシリアの武装勢力が身柄を拘束していたとされる。解放後の映像も公開され、英語で「40カ月拘束されていましたが、今はトルコにいて安全です」などと語っている。行方不明になってから約3年4カ月。家族や関係者は安どの表情を見せた。

 安田さんは、シリア国境に近いトルコ南部アンタキヤの入管施設で、派遣された日本大使館員らが本人と確認した。健康状態も問題ないとみられている。

 解放の情報が公になったのは23日深夜、菅義偉官房長官が、緊急記者会見で発表した。24日の会見では「トルコやカタールなど関係国に(解放を)働き掛けた」と説明、「身代金を払った事実はない」と述べた。

 菅官房長官によると、23日午後7時40分ごろ、早ければ同日中に安田さんが解放されるという情報がカタールからもたらされた。カタールからは同午後9時ごろ、安田さんとみられる男性が解放され、アンタキヤの入管施設にいると連絡があったという。

 24日には、解放後の安田さんの映像も公開された。黒いTシャツ姿で、ひげは長く伸びているが、頭髪は短めにカットされていた。しっかりとした口調の英語で「40カ月拘束されていましたが、今はトルコにいて安全です」などと語っている。

 安田さんは取材のため15年6月、トルコ南部ハタイ県からシリア北西部イドリブ県に越境後、行方不明になった。16年3月に安田さんとみられる男性が英語でメッセージを読み上げる映像が公開。同年5月には「助けて」と書いた紙を示す画像も公開され、今年7月も複数の映像が出た。

 国際テロ組織アルカイダ系の過激派「ヌスラ戦線」(「シリア解放機構」を設立)が身代金を狙い、拘束していたとみられてきた。千羽鶴を折りながら息子の無事を祈った母幸子さん(75)は「うれしさで感激」と父英昭さん(78)とともに喜んだ。ただ、家族らは胸をなで下ろすが、今後「自己責任」が問われる可能性もある。

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