【専門家の目】パニック障害 治療の基本は投薬も見極めが難しい

 King&Princeの岩橋玄樹(21)がパニック障害の治療に専念するため、11月初旬から一定期間休養することが26日、分かった。ジャニーズ事務所が発表した。パニック障害について、松本浩彦医師に聞いた。

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 「パニック障害」はよくお目にかかる病気ですが、実はいろいろな症状をまとめてこの病名にしています。

 突然感じる強い不安や恐怖感が「パニック発作」で、短時間で症状は消えますが、発作がまた起こるのではないかという心配が予期不安となり、例えば電車に乗ったり、人通りの多い場所に行くと、ここで発作が起こったらどうしようという不安が「広場恐怖」となります。電車に乗れない、外に出られない、これも病名はパニック障害です。

 治療中にうつ病に進行することもありますので、早く適切に治療せねばなりません。「あがり症」も広義のパニック障害ですので、一説では100人に一人と言われています。

 治療の基本は薬物療法です。認知行動療法という治療もあるのですが、まずは内服薬から始めます。ただ薬には、発作を抑える鎮静系の薬と、不安を取り除く抗うつ系の薬があり、全く逆の働きですので、どちらが患者さんに効くか見極めることが重要ですが、実はこれがたいへん難しい。適切な薬を飲み始めると早い段階で発作はおさまるのですが、今度は薬の止め時が難しく、治ったといっても長く薬を飲み続ける場合が往々にしてあります。

 薬を飲んでいる限り完治したとは言えませんので、治るまで長い時間が必要ということになるのが厄介なところです。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ) 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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