乙武氏、バッシング疲弊で移住先求め37カ国放浪 理想の地見つかるも…
作家の乙武洋匡氏が31日、フジテレビ系「ノンストップ!」の取材に応じ、昨年1年間、海外37カ国を放浪し、移住先を探していたことを明かした。
番組では、10月に久々の小説「車輪の上」を上梓した乙武氏にインタビュー。16年3月に不倫報道が週刊誌に掲載され、自身を取りまく状況が一変。当時は一歩も外に出ない日々が続き、「終わったとか社会的な死を迎えたなとか、そういう言われ方をして、自分でもその通りだなと思うんですけど」と、激しいバッシングにまみれた当時を振り返った。
それでも「私の命が絶えるわけではないので、社会的な死を迎えてもそれでも私の人生は続いていくんですね」と、生きていかなければならないことを自覚。昨年、自宅を引き払い、海外放浪の旅に出掛けていたことを明かした。
訪問した国は37カ国にものぼった。「正直37カ国回ってる中で、移住先を探してたみたいな側面も正直あった」という。何を言っても「説得力がない」などと批判されてしまう現状に疲れ、「だったら自分のやりたいことができない環境で暮らし続けるよりも、自分が理想とする社会や国がそこにあるなら、そっちに住んでしまった方が早いんじゃないのかという、そういう思いも正直あって」と振り返った。
そんな中、乙武氏が「理想」とした場所が見つかる。それがオーストラリアのメルボルンだった。バリアフリーも整い、人種差別もない。移住先は決まったと思ったというが「3週間目くらいに物足りなさを覚えてしまって。あと40年何するのかなと思ったら、凄くその後の人生が味気ないものに思えてきてしまって」と、疑問を感じたという。
そして今年4月に帰国。「茨の道とは分かっていても、日本に帰って他人様から厳しい言葉をいただきながらも、それでも自分がやりたいと思っていたこと実現したいと思って。社会に向けて出来る限りの力を尽くしていくことをやっぱりやりたいなと」と、日本での生活を選んだ。
帰国後、小説「車輪の上」を上梓。作家として再び活動を再開した。一時噂された政界入りについては「今では当然政治の道は考えられない」としたが、「もう一度、生きづらさを抱える人のためにも住みやすい社会を実現させるために、もう一度自分は果たしてやれるのか」と自問自答。「今は一日一日を丁寧に過ごしていく。ただそれだけかなと思います」と語っていた。