女優の後藤久美子（４４）が、来年１２月２７日公開予定の映画「男はつらいよ５０　おかえり、寅さん（仮題）」の撮影で、２３年ぶりに演技復帰したことが３１日、分かった。都内で行われた同作の製作発表で明らかになった。後藤の女優活動は、１９９５年公開の「男はつらいよ　寅次郎紅の花」以来。寅さんシリーズは通算６作目の出演で、吉岡秀隆（４８）演じる諏訪満男の初恋相手・及川泉を演じていた後藤は、両親の離婚後にオランダに渡ったイズミ・ブルーナ役。同作は１９６９年の第１作から５０周年で、２２年ぶりのシリーズ５０作目となる。

　“ゴクミ”が寅さんシリーズのマドンナ役で女優復帰を果たした。今作は１０月２０日に都内ロケでクランクインし、後藤もすでに数日間、撮影に参加。２３年前と変わらぬ美貌でイズミ－を演じている。

　９５年に元レーサーのジャン・アレジ氏（５４）と事実婚し、渡欧。母となった後もＣＭやイベント出演はあったが、演技からは離れていた。報道陣の前への登場は２００６年６月のイベント以来だったが、終始、落ち着いていた。約１００人の視線が集まる中、「皆さま、ごぶさたしております」と第一声。「『男はつらいよ　寅次郎紅の花』を撮り終えてから子育てに入り、今回、山田組に呼んでいただけて光栄に思うのと、うれしい気持ちでいっぱいです」と目を輝かせた。

　スイス・ジュネーブの自宅に届いた山田洋次監督（８７）からの長文の手紙が復帰の決め手だった。「『こういう作品を作りたい。それにはどうしても君が必要だ。どうにか考えてもらえないか』と。読んでいるとき、山田監督の撮ってきた『男はつらいよ』に対する大きな愛情、今回撮りたい作品への情熱をひしひしと感じまして。引き受ける、受けないを私が考慮する権利はないなと。山田監督に呼ばれたら二つ返事で行くんです。ハイッて」と笑顔を見せた。

　ブランクについて聞かれると、「不思議な感覚になってて。私は（男は－に）４２作から４５作目まで出て、４８作で戻っていて。それと同じ感覚で、ちょっとおいとましてて、また戻って来て『お帰り』『ただいま』という感じ。あの当時のスタッフの方も何人かいらっしゃって、温かく迎え入れていただいて、とても心地良い現場です」と満足そうに明かした。

　所属事務所によると、今後の女優活動は未定という。